「猫も病気になるの?病気だとしたらどんな症状がでるの?」
家族である猫だから体調管理には日ごろから気をつけているつもりだけど、特にどんなことに注意してあげたらいいのでしょうか。
最近あまり水を飲んでいない気もするし、なんとなく元気がないような気もしますが、どの程度で病院に連れていったら良いのかも良くわかりません。
猫は病院が嫌いだから余計なストレスを与えてしまうと、かえって良くない気もします。
しかし猫にストレスは大敵だとも聞きますが、やっぱりいつもと違う行動をしていると心配になってしまいます。
猫は喋れないから飼い主が判断するしかないのですが、どういった症状があれば病院に連れていくべきなのでしょうか。また、猫のかかりやすい病気は何があるのでしょうか。
猫がかかる病気はたくさんある。病気になってしまう原因とは
昔は猫の平均寿命は8歳程度でしたがその寿命はどんどんのびていき、今では飼育下で13歳ほどと言われています。
この理由として、動物に対しても医療が発展したこと、フードが良質なものに進化しているという2つの要素があります。そして人間と同じで、長生きすればするほど病気にかかりやすくなります。
以前ではほとんど例のなかった病気でも長生きすることによって発症しやすくなってきたのです。
分かりやすい例で言うと猫も「認知症」にかかりますが、これは最近になって分かったことです。以前は認知症になるほど長生きしなかったために知られてはいませんでしたから、猫に認知症はないと考えられていたのです。
このように長生きが一番の理由です。
猫カゼや皮膚炎、耳ダニといった比較的治療しやすいものや感染症から、さらには内臓疾患などあり、猫にも多くの病気があります。
病気になる理由として、長生き以外にもフードの選び方が間違っているなど人間がかかわっている場合もありますが、やはり個体によって様々です。
人間の兄弟が全く同じ食生活や生活習慣をしていても病気までは同じでないように、元々生まれ持った体の強さなんかも関係がありますから、一概には言えません。
しかし対策をしていくことで、病気にかかる確率を下げることは可能です。また、病気をした場合でも早期発見することができます。
猫が病気にならないために飼い主ができる対策法
まず一番大事なのは食事です。飼い主が猫にしてあげられることで、これが一番大事と言えます。
猫は肉食動物ですから、その体を維持するためには良質なたんぱく質が必要です。これは猫を飼っている方なら良く知っていることでしょう。つまりエサの選び方が1番重要です。
粗悪な原材料、穀物が多いキャットフードを選ばない
まず当たり前ですが猫の健康に1番影響するのはエサです。当然良質なエサを与える必要があります。
では「良質なエサ」の基準は何でしょうか?
- 原材料に「4Dミート」や「ミートミール」「肉の副産物」「家禽ミール」を使っている
- 香料や保存料など添加物を使用している
- 原材料に「穀物」を使用している
こういったエサは猫のことを考えるとできるだけ避けたいところです。
高齢の猫のエサ
ですが、あまり知られていないのは「良質なたんぱく質でも害になることがある」ということです。
確かに基本的に猫の食事は、タンパク質を多く食べさせることです。
しかしそれはあくまで「健康で若い猫」に限ってのことなのです。
例えば人間でも、いくら良質で栄養価が高い食事だからといって、子供からお年寄りまで、毎食同じ食事メニューでは良くありませんよね。
いくら栄養価が高いからといっても、胃腸が弱っているお年寄りに高カロリーの食事は向いていませんし、普段の運動量によっても必要なカロリーは違います。
猫は7歳くらいからシニアと呼ばれ、10歳を越えると高齢と呼ばれます。猫の10歳は人間でいうと60歳であり、猫の13歳は人間の70歳ですから、高タンパクな食事はかえって猫の健康に害となってしまうのです。
高齢猫には低カロリー、低タンパク質の高齢用フード与えた方がよいという意見もあります。少なくともエサの食べ過ぎ、与えすぎには注意が必要です。
グレインフリーのキャットフードについて
最近はやっているフードでグレインフリーという商品がありますが、これは穀物を使っていないので、その分高タンパクになっています。
三大栄養素というものがあり食品の多くは、たんぱく質、脂質、炭水化物から作られています。グレインフリーのフードは炭水化物を使っていませんから、自然とたんぱく質と脂質の量が多くなっています。
他にもグレインフリーでなくても、高タンパクを売りにしている商品は数多くありますが、それらは若くて健康な猫に向いている商品です。
猫の死因にも関わる大きな病気は、ガンや腎臓疾患、心臓病です。しかしガンや心臓病は人間もそうですが遺伝的な要因も多いため、食事だけで防ぐことはなかなか難しいです。
しかし腎臓疾患は食事である程度コントロールすることができるのです。13歳まで生きた猫の25パーセントがかかってしまうといわれている腎臓疾患なので、できるだけこれに配慮した食事にすることをオススメします。
腎臓が弱まると泌尿器系も悪くなってしまうことがありますので、きちんと食事は選んであげましょう。
高タンパクな食事は、猫の腎臓に負担をかけてしまいますから、7歳以上のシニアには高タンパクやグレインフリーの食事は向いていません。
特に腎臓に不安を抱えている猫には、高タンパクであるグレインフリーなどはオススメできません。
タンパク質を消化するのに腎臓には負担がかかってしまうため、高齢の猫や腎臓の数値が悪い猫に与えると腎臓疾患が悪化してしまう可能性があります。
腎臓が弱り始めている、またはシニア以上だと低タンパク、低リンの食事をオススメします。ただそれでも猫の体にはタンパク質は必要なので、どの程度タンパク質を減らすかが大事になってきます。
腎不全なのか数値が悪い程度なのかによってもタンパク質を減らす度合いが変わってきっますので、よく調べるかお医者さんに聞いてみると良いでしょう。
猫の病気の兆候があったら一度病院で診断を
そしてどんな病気でも早期発見が大事になってきますが、猫は体調が悪いことを隠してしまう動物なのでなかなか飼い主でも気づくことが遅くなってしまいがちです。
初期症状として多いのは食欲不振、元気がない、隠れていることが多いなどです。他にも吐く頻度が多くなったり(1日2回以上)、毛にツヤがなくなったり、やたらと水を飲んだり、尿の量が増えたり…または逆に尿が出ないなどです。
3つ以上同時にあてはまったり、1つの症状でも重かったりするなら一度病院で診てもらったほうが良いかもしれません。
たとえば腎臓病は進行すると慢性腎不全に至り、多飲と多尿、脱水、食欲不振、嘔吐、体重減少、夜尿、便秘、下痢などの症状が見られるようになります。だから上記のような兆候があるのですね。
しかし現在では、食餌療法によって進行が抑制されることがわかってきました。子猫の頃からの食事ケアで、腎臓に余分な負担をかけないよう配慮することが、腎臓病への予防につながると考えられます。
病気を早期発見することは大事なので、5歳からは1年に1回の健康診断を、10歳からは半年に1回の健康診断をオススメします。採血や尿検査は必ず行ってほしい項目ですが、他にもエコー検査など診断内容も様々なので、普段の猫の様子を考えて獣医師と相談してください。
診断内容や病院によっても値段は様々ですが、だいたい5,000円~30,000円ほどです。もし一度も受けたことがないのなら、一度受診してみると安心できるかもしれませんね。
その猫に合う食事を考え、日ごろの様子を観察することで病気の予防、早期発見をしていきましょう。